ブックアート研究会で発表しました

2011.09.16 Friday

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8月30日に開催されたブックアート研究会で「ノルウェーでみつけたブックアート」について発表しました。今回のコーディネーターの中西美穂さんがレポートを書いてくださっています。

 ノルウェーといっても、私が知っているノルウェーはサーミのことばかり。滞在していたマーツェも人口200人の小さな村で、なかなかブックアートらしきものに出会う機会が少なかったのですが、おそらくサーミの民族運動のチラシや出版物の中から何か見つかるだろうと考えていました。そしてやはり、1970年代におきたダム建設反対運動が先住民族運動へと発展し、その時にたくさんのポスターやチラシが印刷され、同時にサーミ語の復興に火がつき、サーミ語の絵本が初めて出版される、という流れが、滞在するうちに見えてきました。研究会ではその流れを簡単に説明し、公共機関の図書室などで見つけたサーミの本を紹介しました。

 ここ数年ブックアートの定義の難しさや曖昧さ、そしてパフォーマンスアートとブックアートの関係をなんとなく観察してきたのですが、ブックアート(または印刷物)の「配る」または「記録する」という機能が、物として残らないパフォーマンスを知ってもらうのにとても都合が良いものなんだろうなと思うようになりました。サーミの民族運動も、もろパフォーマンスと考えてみれば、そこにブックアートが生まれることは必然的なのだと思います。

 サーミの話をサーミのことを知らない人たちに話す時、いつも遠いお国のお話のようになってしまうのではないか、と気をつけているのですが、今回の発表後に「ダム建設反対運動はどこにでもある問題だからわかりやすかった」という感想をいただきました。そういった切り口の感想をいただいたのが初めてだったので、なるほどと思っているこの頃です。

Abuku Journal

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